4) Writing=28
Integrated Writing(1番)、Independent Writing(2番)が5点満点で、それぞれ4点をとると、25点を獲得できます。けれど、それはあくまで満点ではない。
1番でも2番でも満点を1つ出さないと平均4.5はありません。
この4.5点(換算スコア28点!)は、Writingで5点満点がとれる能力があることを明確に示しています。
詳しい内容はセミナーなどに譲りますが、それぞれ5点満点の4点をとるところまでは、あまり困難ではありません。だから、ひとまず25をとれるようにがんばるべきです。ここに達していない受験生は、根本的に「大学の先生が読むに耐えるだけの英語が書けない」か「エッセーを書くことに対して根本的・致命的な誤解がある」かのどちらか、だと思います。日本の教育を受けて、あるとき突然TOEFLに出会ったという受験生(ほとんどだと思います)は、後者です。まずはこの誤解を解くだけで、25まではたどり着けると思います。
そこまでが4点。これを5点にするには、「英語そのもの」の向上が欠かせません。今まで自分が書いたことのないような表現を使う、ミスを少しでも少なくする、間違えてもいいからレベルの高い文法項目を使ってみる・・・いろいろと英語そのものを向上させることが必要です。無難に書いたのではスコアアップはありません。同じように評価されるだけですから。
5) Reading / Listening =29
1~4を見ると、R / Lが簡単なように見えますが、世界標準でいうと、最難関のセクションはReadingです。最後まで問題を解き終えること自体が困難なレベルです。しかし、日本の教育を受けて、日本の大学受験を経験し、TOEICですでに900を超え、日常の業務・勉強で、英文を読むことがある人にとっては、4つのセクションの中で最もスコアが期待できるし、ある意味Readingで取れなければどこでとるのか、というようなセクションでもあるわけです。ご自身のバックグラウンドの誇りをかけてスコアを叩き出してください。
わたしは、この期に及んで、Readingの「勉強法」を知らない日本人受験生がいるのか、疑問です。あなたはこれまでの人生で、英語=読解、という図式の勉強をしてきたはずです。それで結構です。それに加えて、信じられないくらいの大量の単語と、少しのスピードを身につければ、高位安定的にスコアメイクをすることは可能です。TOEFLのReading セクションは、素早く読んで大意を把握する、ということは要求していません。むしろ、「この文の意味をきちんと言うと?」「このexampleは何の例?」という、細かなdetailばかりが問われます。だから、わたしは、日本の大学受験準備的な読解方法で十分だと思います。ただ、大学受験と根本的に異なるのは、そのレベルと分量、です。
その分量に対処するには、「簡単な問題がすぐに正解できる」実力をつけること、です。そうすると、難しい問題を考える時間も捻出できるからです。TOEFLのreadingのスコアがいい人は、すばやく読めるわけではありません。ただ、簡単な問題に素早く答えられるから、難しい問題の正解率が上がる、というだけです。難しい問題は誰にとっても難しいです。ただ、時間さえあればなんとかなる。この時間の捻出をいかに可能にするか、これがTOEFLの対策になると思います。普段の「従来の読解の勉強」をどんどんこなして、スピードをあげるとよいと思います。そして途中で止まらず読むためのポイントがふたつあるとしたら、「語彙力強化」と「構文力強化」です。この2つが鍵です。
Listeningは、Speaking / Writingのセクションでも聞く作業が必要なことを考えると、TOEFLの中で最も安定的に高スコアを出すべきセクションです。このセクションが低いのに、Speakingだけを向上させることはできません。ですから、Listeningこそが、TOEFLの肝であり、最大の労力・時間・根性・お金・その他全ての資源を投入していくセクションです。
Listeningが不得意だという人がいますが、実は理由は次の2つに絞られます。ひとつは「語彙力不足」。せっかく聞こえても、単語の意味を知らないのでは何の足しにもなりません。知らない語は文脈で判断する!という日本の大学受験での鉄則が使えるほど、TOEFLが簡単ではないことは、もうご理解いただけていると思います。単語は暇さえあれば、意識的に記憶するべきでしょう。単語力があると、Listeningがもっと楽にできる、のです。で、Listeningができると、Speaking /
Writingができる、ということなのです。その単語をspeakingで使う、とかいうのではありません。Listeningですこしでも自信を持って聞くための準備です。
もうひとつは「練習不足」となるのは当然です。個人差もあるでしょうから、現状で成果が出ていないのであれば、それを上回る練習を積むしかありません。毎日1時間聞いている、という人は、1.5時間聞きましょう。あるいは、「聞いている」というのがどういう状況なのかも再考するべきでしょう。「聞き流せる」ほどレベルの低いものではありません、TOEFL。しっかり単語・意味・パッセージの構造を把握しながら、確実に聞きましょう。要するに、毎回聞くたびに【メモをとる】ことが大切です。毎回です。もう記憶していても、まだまだしっかりとメモをとってください。そうすることで、このレクチャーのトピックは?メインアイデアは?具体例は?何のための引用?などが明確になっていくでしょう。何度もメモをとってください。いつの日か、そういうメモが頭の中に浮かび上がるでしょう。そしてメモを取らなくても、うまくマッピングできるようになるでしょう。ここまでが目標です。そうすると、1時間というのは、すこし集中するには長いくらいだと思います。それくらい集中して1時間毎日(1年365日のこと。たまに時間があったら、ではない!)聞いているのに、成果がでない、というのも、逆に考えにくいことです。
さて、ここまで、TOEFLのキーになる数字を追ってきました。これらのことを意識して、ぜひとも目標スコアを達成してください。
受験生のみなさんのご健闘をお祈りします。
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主宰 TOEFL受験コンサルタント 四軒家忍